君の胃袋を掴む


おいしい。

ほっと息を吐いた。
アイスの袋が風に靡き、カサカサと揺れる。

ふわりと横に風が吹いて、人がベンチに乗った。余りの軽やかさに呆然とし、棒を落としそうになる。

「全然帰ってこないと思ったらさ」

視線が絡む。雅宗は地面に足をおろして、隣に座った。

「アイス休憩してるし」
「ごめん……」
「いーよ。帰ろ?」

雅宗の髪は少し濡れていて、肩にタオルが掛けっぱなし。
卵の入った袋を掴み、私の手を引く。

「アイス頂戴」
「え、これ?」

そうそう、と私の手のまま持っていかれ、棒アイスを咥えた。