君の胃袋を掴む


そんな男が気紛れにてきとうに愛の言葉を吐けば、誰だって自分は特別だと思いたくなる。

私だって最初の内は、自分は特別だと思っていたこともあった。

でも、自分が置いた鍋の場所が変わっていたり、冷蔵庫の食材が減っていたりすると、すぐに察する。

「ごめん。使う?」
「うん……買ってくる」
「暗いし、俺買ってくるよ」
「他にも買いたいのあったから。ちょっと行ってくる」

タオルを頭にかけている雅宗の横を通り、私は部屋を出た。

一番近いスーパーに行って、卵を手に取る。
他に買うもの……なんだっけ。