別に、当人が美味しいと言ってる分には気にすることではないのかもしれないけれど。 「A5ランク? あたしが食べたかった」 希帆は、私が雅宗に料理を作っていると知っている唯一の友人。そして毎度「まだ刺されてないの?」と鼻で笑う一人だ。 「私も希帆に食べて貰いたかった。高い肉が分かんない割に、バイト先来て私が作る料理はちゃんと分かるんだよね」 「気持ち悪い舌だな。それ、小梅のこと好きなんじゃない?」 鞄から出したアイスティーのパックにストローを挿しながら、希帆は言う。 私はそれを一笑した。