私は半ば目眩を覚えながら、答えた。
「……食材費だけで良い」
「え! てことは」
「だから、忙しいときは作らないから。あと君の女関係に絶対に巻き込まないこと。約束できる?」
言い放つ。
顔を輝かせた雅宗は私の手を取った。
「約束! やったー!」
「あと色んなひとに言いふらさないで、って聞いてる?」
「今日は何作んの? 部活終わるの待ってる!」
「この前漬けた漬物の食べ比べ」
「漬物……」
しゅん、としながらも姿勢を直して「じゃ!」と私の手を離して、ひらひらと手を振った。
「待ってんね!」
いや、待たなくて良い。



