家庭科室に繋がる廊下は人気がなく、殆ど生徒は通らない。まだ部活が始まる時間でもないので、部員もいない。
「絶対だめ? 天地がひっくり返っても? 土下座しても?」
強行しそうな勢いに、負けるわけにはいかない。
「そもそも料理人って、君の家行って毎日料理振る舞えば良いの? 母親が泣くよ」
「うち、親いないよ」
「え、ごめん……」
「父親の単身赴任に母親ついてってるから」
「私の謝罪を今すぐ返せ」
え? と雅宗が小首を傾げている。それにもまた苛つく。
いろんな人の料理を食べたと言っていたけれど、全員女子に違いない。



