君の胃袋を掴む


行ってしまった雅宗に残され、私はとりあえずお湯を沸かした。

その間に切りもの。サラダを作ってから、買ってきた鶏肉に下味をつけたり、作りおき用の野菜たちを炒めていく。

藤田雅宗とはニ年の頃、同じクラスになった。

目撃した修羅場の後に食べさせたカップケーキに毒が入っていたらしく、それから何かとくっついてくるようになった。

「その出汁巻き、小梅ちゃんの手作り?」
「ん、うん」

教室で友人らと昼食を取っていると、横から雅宗がやって来た。

「食べたい」
「え、嫌だ」
「このミートボールと交換!」

示す弁当箱の中身。