マリオネット★クライシス


「だって、えっと……写真、インスタにアップするとか言ってたし、ジェイに迷惑かかったらって、その……だから……」

言い訳調の言葉は、もはやカミカミ。

アドリブ得意ですとか、二度と言わない!
固く心に誓っていたら、ポンポンと優しく頭に手が乗った。

「はいはい、オレを助けてくれたんだろ。ありがと。っていうか……謝らなきゃいけないのはオレの方だな」

「え? どうしてジェイが?」

聞き返して見上げれば、わたしの頭から外した手で前髪をくしゃっとかき上げたジェイが、少し決まり悪げに視線を外した。

「その……ユウがどうするか知りたくて……わざと黙ってた。ごめん」
「わたしが、どうするか?」

「できれば最初から、彼氏って紹介してほしかったけどな」

不満げにつぶやいた彼に、そのまま頬をむにぃって引っ張られる。

「ひぇも、ひょれはふゅりで(でも、これはフリで)……」

一生懸命言ったのに、聞き取れなかったみたい。
くすっと笑ったジェイは指を放して――少し表情を改めた。

「ユウの方はいいのか? 彼女たちに変な噂流されたら……」
「あ、うん慣れてるから大丈夫。それに、わたしみたいなつまんない子のこと、誰も騒がないよ」

頬をさすりながら平気だと笑ってみせると、何か言いたげな顔が無言でこっちを見つめてくる。

「ジェイ?」
「……いや、なんでもない」

じゃあプリクラ撮ろうか、って仕切り直すように彼が口角を上げた時にはもう、そのカオから憂いは消えていて……
わたしはその気遣わし気な色を、間もなく忘れてしまった。

小坂さんがわたしのことを“結城さん”って呼んでいたのに、ジェイが何も突っ込まなかった、その事実と一緒に。