「え、ちょ……待っ!」 あわてて声を投げるも、 見えないほどに、 彼女の背中は遠ざかってしまった。 ……うそでしょ、行っちゃった。 「えー……どうしよう、この傘」 かしてもらうにしても、 問題は返すとき……だよな。 しばらく傘をじっくり見ていると、 持ち手のとこに、 ネームタグがついてるのを発見する。