桜が舞い、君に出逢う。

そんなことを言って、

希空がやめないのは知っている。

どうしよう、すぐにやめさせなきゃ。

先生を呼ぼうかと廊下に目を向けると、

廊下に1人の男子が立っていて、

違うクラスのはずなのに

私たちのクラスに入って、

希空の目を塞いだ。

(なに、この人。何してるの?)

「希空。」

低いとも高いとも言えない中低音な声。

低めな身長、可愛げのある顔なのに

どこか冷たい瞳をしている人。

「何してんの」

「…殴ってる」

「それは知ってる」

どこがおかしいのか、

男子はほんの少しだけ頬を緩める。