桜が舞い、君に出逢う。

「あれー、久遠。髪の毛どうしたのー?
黒じゃーん!」

彼女はこのクラスを仕切る、

要するに陽キャの中の陽キャみたいな。

私みたいなのとは一生縁がないような、

そんな存在の人。

「俺今日からチャラいのやめるわ。だから栗田さんも今日から話しかけないで。」

「は?…久遠、ほんとにどうしたの?熱?」

そう言って彼女はおでこを触り

熱を測ろうとするが、

アイツはぺしっと彼女の手を叩き、

彼女に触れられることを阻止した。

「なっ!」

「触らないでくれる?」

いくら何でも叩かれるとは思わないだろう。

彼女は大きく目を見開いて、

あろうことか私を睨みつけてきた。

「ねぇ!久遠がこうなったの、アイツのせいでしょ!?アイツがなんか言ったんでしょ!?」

彼女は私を指さし、私に近付く。