「美緒ちゃん希空ちゃーんっ!」

あれだけ拒否したというのに、

コイツはまだ私たちに構うというのか。

「悲しいから一緒に行こうよ〜」

悲しいからって何?

悲しいのは私たちのせいでしょ?

じゃあ私たちに助けを求めないでよ。

「もう着いた」

希空が教室に入って、

続いて入ろうとすると腕を引かれた。

「…は」

それは一瞬の出来事だった。

アイツは私の耳元で囁いたのだ。

「あんまりにも意識して貰えないから作戦変更するね」と。

私の頭の中ははてなで埋め尽くされていく。

同時に耳元で囁かれた恥ずかしさで

耳元に熱が集まる。

「照れてるの?可愛いね。」

これが作戦変更ってやつなんだろうか、

いつもなら言わない言葉を

平然とコイツは紡いでいく。

いや、待てよ。コイツはチャラ男だ。

要するにこんな言葉日常茶飯事って訳だ。