「あ、ごめん。」

機械の説明の途中で、

ふいに大和君が謝った。

「何が?」

「機械の説明とかされても、わかんないよな、悪い。」

大和君はあたしがよくわからない機械の話を

聞かされてつまらなさそうだと思ったみたい

全然そんなことないのにね。

「ううん!機械の話はよくわかんないけど、大和君の愛は伝わってきたよ!」

「…愛?」

大和君は眉をひそめて尋ねてくる。

あれ、違ったかな。

「だって大和君、機械の話をしている時目が輝いてたし、早口だし、可愛かった…は聞かなかったことにして!!!…と、とにかくね?大和君の様子を見て、好きなんだなーって思ったよ!」

大和君は一瞬驚いた顔をして、

おそるおそると言った感じで口を開く。

「花陽は、俺が機械オタクなの、引かないの?」

花陽って呼んでもらえた!やばい!

どうしよう!あれ待って、質問に答えなきゃ

息を吸ってー、吐いてー。

「オタクだったんだ?」

そう言うと、大和君はビクッとして、

悲しそうな顔をした。

(まずい、これだけだとやばいぞ!)

「あのね、美緒ちゃんってわかるかな?大和君と同じクラスのはずなんだけど…」

「…」

大和君はしばらく考え込んだあと、

「あぁ」と思い出したように

ポンッと手を叩いた。

何その仕草可愛すぎない!?

「そ、その子あたしの双子の妹なんだけど」

胸きゅんしたのを悟られないように、

平然を装って喋り出す。

「美緒ちゃんもオタクなんだぁ。よくわからないけど、あにめ、おたく?ってやつ!
だから、大和君がオタクだろうとあたしは引かないよ!ていうか、美緒ちゃん見てて思うけど、なにかに熱中できることがあるっていいよねぇ。あたしは何にもなくてさ、羨ましく思っちゃう」