那由多は驚きからなのか、目を見開いている。

「こういうのって絶対、男の俺からやるものだよね...」

那由多は私から告白されたことを不甲斐なく思ったのか、少しだけ顔を赤らめている。

そんな那由多が、本当に可愛らしくて。

「那由多、ごめんね。」

那由多の言い分も聞かずに、
少し屈んで那由多の唇にキスを落とす。

「ふふふっ、幸せ。ねぇ、幸せってこういうことを言うんだよね。胸がポカポカして、頭がほわほわするの。」

「うん、きっとそうだよ。あと、それとさ、」

那由多は言うことを躊躇うように歯切れの悪い言葉を並べる。

「謝ることじゃあないから...さっきの、もう一回してもいい?」

「...うんっ、もちろんっ!」

2人で、もう一度キスを交わす。

あぁ、幸せ。嬉しい。大好き。
こんな感情初めて。
この感情を教えてくれたのは那由多、貴方だよ。
何も無い空虚な私と出会ってくれて、本当にありがとう。


【希空&那由多 END】