車の中から、先日あった雨で

流れてしまった桜を眺める。

この桜は命を終えたのだろうか。

木から舞い落ちる時、痛覚はあるのだろうか

桜の花のように落ちていく人の命に、希望や

未来なんてあるのだろうか。

はぁ、と溜息を一つ零す。

こんなことばっかり考えているから、みんな

に怖がられておかしいって言われる。

学校に着いて、美緒と一緒にE組の教室に入る。

高校に上がって、腹立つことが出来た。

それがこの男。

「美緒ちゃーんっ!」

私の家族に付き纏う変質者。

チャラいを具現化したかのような遊馬 久遠。

困っている美緒を見ると腹立たしいし殺して

やりたいけど美緒のお願いで殺すなと

言われているから、殺すことは出来ない。