「他には?」

「私だけです。」

「ダメだ。」

「何故ですか?」

「異性の家に行くなど、ましてや異性と二人きりなど認められない。断れ。」

嫌だな。断りたくない。

「...ですが、彼方様は私にご自身の演奏をお聞かせくれると言ってくださいました。
彼方様のお父上は洋楽世界一位の称号者なので、彼方様の演奏もきっとこれからの学に繋がります。それに、私と彼方様に不純な事は一切ありません。それでもダメですか。」

「...はぁ、それなら、いいだろう。」

「ありがとうございます。」

早足で父の部屋から去っていく。