「おいお前…。どこの組だ言ってみろ?」

「あ?…って、貴方は、もしや…!」

「え?って、お前…いや、貴方様は!」

「あ?もしかしてお前らウチの組か?」

「「はっ、はい!」」

2人は声を揃え、怯えながらそう言った。

(何が起きてるの?)

つんつん

結芽ちゃんに腕をつつかれ、そのまま

その場から離れていく。

あの人たちが見えなくなった時、

どっと疲労感が襲う。

「う、うぅ〜。怖かったよぉ〜」

結芽ちゃんがぽろぽろと涙をこぼす。

「ゆ、結芽ちゃん!」

あぁ、そうか。あたしの身勝手な考えで

結芽ちゃんを巻き込んじゃったんだ。

ドーナツのことしか考えてなかったけど、

あの時お金を払っておけば良かったんだ。

「ごめんね結芽ちゃん!あたしが、何も考えてなかったから…。」

「ううん。花陽ちゃんは結芽を守ろうとしてくれたんだよね。泣いてごめん、ありがとう!」

「ううん、結芽ちゃんに何も無くてよかった!」

結芽ちゃんに満面の笑みを見せると、

つられたように結芽ちゃんも笑顔になる。

「よぉ〜し、こんな暗い気持ち捨てて、
早くドーナツ食べるぞ〜!」

「おー!!」

ひょこっと顔をのぞかせて、

あの人たちが居ないことを確認する。