「良かった。何も無くて…!」

酷く安堵したような声で、

抱きしめる力が増す。

「ちょ、苦しいって」

私の声が聞こえていないかのように、

抱きしめる力は弱まることを知らない。

「前みたいに、美緒に手を挙げられてたらどうしようって思った。」

「別にそんなこと…」

関係ないじゃん。って言うつもりだった。

だが、塞がれてしまった。