瞳の奥

「吉岡警部、報告書です。」

「ありがとう。明日は朝から捜査会議あるし早く帰って休んでね。」

あれから、どのぐらい時間が経っただろう。
気がついたら夜も深まってきてる時間帯になっていた。

部下の人が報告書を出しに来て、ようやく時間が遅いことに気づく。

「いえ、警部や管理官が休みの日にも関わらず仕事されている中で帰るのは申し訳ないです。自分達に出来る作業あれば遠慮なく振ってください。」

部下達がここまで食い下がらない姿は初めて見たかも知れない。それほど無理してるように見えたのだろうか。

「解ったわ。
じゃあ、皆の報告内容と鑑識、サイ犯、科捜研の内容を解りやすいように纏めてくれるかな？
捜査会議で全員に配る資料で今回は、各部署や警視総監も呼ぶから解りやすい資料をお願いしたい。

ただ、きちんと休憩は取ること。」

「任せて頂きありがとうございます。」

部下達は分担して資料作成に取りかかるようなので任せて、私はシャワー浴びた。
シャワーから出ると蓮から連絡来てて、警視総監の部屋まで来て欲しいとの連絡だったのでそのまま向かった。

「失礼します。」

扉を開けると警視総監がニコニコ寝顔で私を見て、蓮は呆れたような顔をしていたが私の中のところに来た。

「麗奈ちゃん、まさかと思うけど徹夜で頑張るつもりでは無いよね？」

「親父が麗奈とお腹の子供が心配だから休ませろって言うこと聞かなくて、でも仮眠室はオスどもがいるから心配だから奥の部屋で休ませろって五月蝿くて。。」

あぁ、なるほど。
用は警視総監の部屋の奥にあるおじ様専用仮眠室を使えと言う訳か。

「でも私だけ休むのは、、」

「私は、麗奈ちゃんのことを小さい頃から娘のように大事にしてきてるんだよ。麗奈ちゃんが倒れたら蓮以上に悲しいな～
だから、ちゃんと休みなさい。」

「解りました。蓮、１時間後に起こして欲しいって我が儘言ったらダメかな？」

「あぁ、解った。２時間経ったらちゃんと起こしてあげるから少しでも休んで。」

あれ？私１時間って言ったはずなのに２時間？言い返そうとしても睡魔が襲ってきたので、そのまま眠りについた。