出会ってから特別寮に住むことを決めるまでに要した時間はたった1日。

その1日でみんなの全てを知ったわけじゃないけど、信頼できる人たちってことは分かったから──────────

「そう……」

お母さんは軽く頷きながらムクっと体を起こす。

しかし、お母さんの眉間には、未だにシワがよっていて。

「昨日あの子たちと話して、ちゃんとした子たちなのは私も分かったんだけど……」

???

けど……?

何か腑に落ちないといった顔で首を傾げるお母さん。

「何か隠されてるような気がするのよね」

え……?

「凛音くんが席を移動させて、ずっと1日一緒に行動してたら女の子に目の敵にされて、そしたら女子寮に入寮を全部断られて、落ち込んでた恋々愛に特別寮で住むことを提案した……」