「うん……うん……」

病室に入って私の容態を確認するなり、(せき)を切ったように私を叱り始めたお母さん。

私はそれにただただ相槌と謝罪を繰り返すことしかできなくて……。

「それに、楓くんたちに詳しく事情を聞いてたら男の子ばっかりの寮で暮らしてるって言うじゃない! 驚きすぎてこっちが倒れるかと思ったわよ!」

「ごめんなさい……」

私はお母さんに深々と頭を下げる。

特別寮で暮らしてるなんて伝えたら、きっと心配するだろうと思って、女子寮で暮らしてることにしてたんだよね……。

そのことはみんなに言ってなかったし──────────

『恋々愛、ほんとごめん!』

目を覚ました日に楓くんが両手を合わせてすごく申し訳なさそうに謝っていたのを思い出す。

そりゃ楓くんから電話が来たらどういう関係なんだってなるから説明せざるを得ないよね……。