◇奈雄輝side◇

「その……上手く言えないんだけど、何かが心に引っかかってるみたいで」

その“何か”に、桜川はまだ気づいてない。

いつも自分が無意識に見つめている先に。

『優羅くんがね──────────』

気づけば誰の話題を口にしているかに。

そいつに、俺らとは違う視線を向けていることに──────────