私の口をついて出てきたのはその言葉。

「……は?」

依織くんに向かってその言葉を発したことに、内心びっくりしたけど、依織くんの方が遥かにびっくりしていて。

あれだけ怯えていたのに……。

いまはすごく腹立たしい気持ちでいっぱいで、そんなことまで考えてる余裕が無いんだと思う。

「お前……」

ームギュッ。

痛っ……。

頭を抑えていた手で今度は思い切り私の顔を掴む依織くん。

骨にまで響くような強い力。

痛い……痛い……。

前と同じだ。

いつもこうやって顔を捕まれ、夜まで腫れと痛みは引かなくて。