「んっ……」

あ……。

瞑っていた目をゆっくりと開けた途端、ちゃんと思い出す前に男の子の姿は遠のいてしまった。

そして、残ったのは身体に感じるのは重だるい倦怠感。

ここ、は……?

ゆっくりと目だけを動かしながら、私は辺りを見回す。

怪しく照らす照明に徐々に目を慣らして、あたりの景色がようやく認識出来てきた。

薄暗く照らす照明に、清潔感のあるベッド、無機質なコンクリートの壁、家具も物も全然ない殺風景な部屋……。

全く見覚えがない。

「気がついたか?」

「っ!!!」

聞きなれたその声に思い切り目を向ければ、声のした方からゆっくりと近づいてくるあの神々しい金髪……。