可愛すぎて胸が苦しい……。

ーペシッ。

「いたっ!」

あ……。

乾いた音と共に、私の頬を包んでいた凛音くんの手がすぐさま離れていく。

「ボディータッチやめたんじゃねーのかよ。触りすぎだ、野獣め」

そう言って呆れ顔を浮かべる楓くんを、頭を抑えながら涙目で睨む凛音くん。

「その言葉、そっくりそのままブーメランだから!」

「なんだとチビ─────────」

また始まった……。

目の前でいつものごとく急に始まった二人の言い合い。

……でも、喧嘩するほど仲がいいって、楓くんと凛音くんのためにあるような言葉ってぐらい、なんだかんだ仲良しなんだよね。