び、びっくりした……。

楓くんか。

「うん、バッチリ」

そう言って私は肩にかけていたカバンをポンポンと叩いてみせる。

いよいよだな……楽しみ!

「行くぞ」

「うん!」

「恋々愛ちゃーん! 早く早く!!」

楓くんの後ろを追ってリビングから出ると、玄関にはもう全員が集合していた。

全員でお出かけなんて久しぶりだな……。

しかも、夜にお出かけは珍しいし。

私は高鳴る鼓動を感じながら、玄関で待つみんなの元へと歩み寄る。

そんなお楽しみのお出かけの行き先は、待ちに待った駅前のビッグツリーの点灯式。

ツリーの点灯式なんて初めてだから、行くと決まった時からワクワクが止まらなかったんだよね。