……いや、そりゃそうだけど。

さすがにイルカには勝てないけど!

そっと隣で楽しそうにニヤついてる恋々愛を盗み見る。

この顔……。

この笑顔を見ると、イルカに負けてもいいかなと思えてきてしまう。

そんなことに嫉妬するのが小さく思えて。

……こんな風に誰かを想うこと、二度とないと思っていたのに。

いつの間に俺はこんなに恋々愛にのめり込んでたんだ?

* * *

「わぁ……」

水族館に着き、恋々愛はライトアップされた建物をこれでもかというほど見入っている。

そんなに珍しいか?

確かに、昼間と違ってライトアップされてるから幻想的なのは間違いないけど。