俺の言葉を聞いた恋々愛は、さっきの恥ずかしさなんてどっかに飛んでいったようで、すぐに目をキラキラさせた。

一体どこまで可愛いんだか……。

しかも、こんな真っ直ぐで純粋な眼差しで。

まるで小さい子どもそのもの。

「行くか?」

「うん!」

花が咲いたような満面の笑みで恋々愛が頷いたのを合図に、俺たちは水族館に向けて歩き出した。

隣を軽い足取りで歩く恋々愛。

そんな姿を見て、嬉しいと思う反面モヤモヤしてしまう俺がいる。

水族館を選んだのも俺、誘ったのも俺。

OKされて嬉しいのも事実……。

だけど、恋々愛が楽しみにしているのは、“俺と水族館に行くこと”じゃなく、“水族館に行ってイルカを見ること”。