足早にグラウンドの入口の方まで駆け寄れば、俺に気づいてパッと立ち上がる恋々愛。

外で待つのは寒いからって教室で待つことを勧めたのに、恋々愛は気分転換したいって……。

まぁ……なんとなく察しはつくけど。

恋々愛、最近ずっとボーッとしてるし。

休み時間も昼休みも隙あらば意識は上の空。

「悪いな、待たせて。しかもこんな寒い中」

「ううん! 私が外で待つって言ったんだし」

そうやってニコッとほほえんだかと思えば、またどこかに意識が飛んでいる。

そんなにあいつらのこと考えてさ……。

「恋々愛」

「うん?」

小首を傾げて俺の方を見上げる恋々愛。

俺だって負けてらんないから。

恋々愛の心に少しでも入り込む余地があるなら……──────────