◇凛音side◇

文化祭があった翌日の月曜日。

「礼」

「「「ありがとうございました」」」

挨拶が終わると同時にざわめき出す教室。

僕はくるりと後ろの席を振り返った。

「恋々愛ちゃん、行こっ!」

「あ、うん! ちょっとまってて」

そう言って彼女は、せかせかと鞄の中に色んなものを詰め込んで帰り支度を始めた。

昨日、りょーくんが言い出した提案……。

それは、いつ現れるかわからない恋々愛ちゃんの元カレ───藍澤依織に備えて、毎日1人ずつ交替で恋々愛ちゃんと一緒に帰ること。