「まだだよ」

俺は恋々愛を安心させるようにそう答えた。

この姿をもっと見ていたい気もするけど、クレープを食べ損ねてしまったと思い込ませたままは酷だし。

なにより……。

「ほんと!? よかったぁ……」

この笑顔が一番見たいから。

「だからそんなに走らなくてもよかったのに」

風磨はそう言いながら恋々愛にふっと優しく笑いかけた。

「だって──────────」



…………っ!

「みんなと文化祭楽しみたいから! クレープ以外にも色んなところみんなで回りたいし!」

ードクンッ。

そう言って満面の笑みを浮かべる恋々愛。