♡恋々愛side♡

ーパシッ。

シンと静まり返った空間に響く、乾いた音。

右手がジンジンと痛みを訴えている。

対して目の前の楓くんは叩かれた左頬を痛がる様子もなく、ただただ呆然と私を見つめていて。

城本さんも目を見開いて、状況が理解できないと言った様子。

「女の子が、好きな人に告白するのは……すっごく勇気がいることなんだよ?」

なんでだろ……楓くんを見つめる視界が滲む。

「城本さんのした嫌がらせはいいことじゃないし、肯定するわけじゃないけど……」

楓くんは口を開くことなく、私の目を真っ直ぐに見つめ続けた。