「あぁ、今日が百合の命日だから」

あ……そうゆうこと……。

こんなに忙しくても疲れてても、楓くんは百合さんに会いに行って─────

『城本は俺が百合のこと忘れてしまってると思ってる』

……楓くんは今でも百合さんのこと大切に思ってる。

忘れてなんかないのに。

「百合さん、幸せだね」

「……それはどうだろうな」

……え?

ポツリと呟かれた悲しげな言葉にそっと顔を上げれば、切なく笑う楓くんの顔。

「百合が生きてる間何もしてあげられなかったし。今さらって思われてるかもな」

楓くん……。

ふっと自嘲気味に笑う楓くんに胸がキューッと締めつけられる。