玄関の方で聞こえた足音は、スタスタとリビングの方へと近づいてきて。

楓くんかな?

今日楓くんだけご飯の時にいなかったし。

ーガチャ。

リビングに入ってきたのは案の定楓くんで。

にしても、こんな夜までお出かけなんて珍しいな……。

「おかえりなさい」

「お前まだ起きてたのかよ」

楓くんは私に気づいてキョトン顔。

まぁ確かに……私がこんな時間までリビングにいること少ないもんね。

「明日も文化祭の準備ハードなんだから、早く寝ろよ」

「はい……」

お母さんに怒られた子どものような気分。

でも文化祭の準備がハードなのは間違いないか……。