「はあ……」

私は誰もいないリビングで盛大にため息をついてテーブルに突っ伏した。

日を追う事に準備が本格化していってるうえに、部活動とかけ持ちしてる人が多く、さらにステージ発表の練習も始まった最近は、人手不足のクラスが続出している。

初めは力仕事も少なかったし、こんなに忙しくなかったんだけど……。

力仕事をバンバンこなして余裕と言った感じの楓くんに対して、楓くんに任せられたラクめの仕事をこなすだけでこんなに疲れてしまう私。

あぁ……情けない。

私、絶対楓くんの足でまといになってるよ……。

そんなことを考えながら、再び深いため息をついたその時──────────

ーガチャ。



遠くで聞こえた玄関のドアが開いた音に、私は突っ伏していた体をむくっと起こす。