ーキュッ。

バケツに溜まった水を確認して、凛音くんは蛇口を閉め、ゆっくりと立ち上がる。

百合さんのお墓の前に戻ると、楓くんたちがキレイに掃除をしていた。

そして、さっき買ったユリの花とお菓子やジュースを供え、最後にお線香を立てる。

百合さんだから、ユリだったんだ……。

あんなに真剣に選んでたのも頷ける。

お供え物を置き終え、静かに手を合わせる楓くんに合わせて、みんなもそっと合掌した。

私もそっと手を合わせる。

きっと2人は素敵なカップルだったんだろうなぁ……。

だって楓くんが好きになった人だもん。

素敵な人に決まってる。

頃合いを見て目を開けると、みんなもう帰る準備を始めていた。

……にしても──────────