風磨くんが以前一喝してからというもの、嫌がらせをする女の子は減ったのに、どうしても城本さんだけは()めないようで。

なんでだろう……?

楓くんにバレたら嫌だろうに……。

風磨くんに私を突き飛ばしたのを見られた時も、全然動じてなかったし。

不思議な人だな……。

「……ってゆうか、これ……」

城本さんから持たされたダンボールの中を覗き込めば、中にはノートがたくさん。

きっとクラス分のノートだろう。

いくらなんでも重すぎ……。

「はぁ……」

私は滅入る気持ちを奮い立たせながら、ダンボールを抱えたまま化学室へと向かう。

あれ……そう言えば化学室ってコッチだっけ?