一瞬の出来事で何が起こったのか分からず、呆然と立ち尽くす私。

えっと……車が通って、すごい水しぶきがかかってきて……。

でもそれに気づいた時にはもう遅くて。

だけど、水がかかると思ったと同時に目の前に何かが現れて、私は濡れなくて。

そして私の目の前にはずぶ濡れになった制服の男の子。

こ、これは──────────!!

「ごめんなさい!! 大丈夫ですか!?」

事が起きてから数秒後。

やっと状況を理解した私は、慌てて鞄からタオルを取り出して彼の制服についた水滴を払った。

あぁ、私がボーっとしてたから……!

申し訳ない……。

「大丈夫ですよ。気にしないで下さ……って、あ……」