風磨くんは真っ直ぐに城本さんたちを見据えながら、キッパリとそう言い放つ。

風磨くん……。

「そうだとしても、私はこの子が特別寮から出ていくまでやめないから」

城本さんは鋭い視線で私を一瞥すると、取り巻きの子たちを連れて教室の方へと歩いていった。

“やめないから”……か。

私が特別寮から出ていくほかに、城本さんの怒りを沈める方法はないのかな……?

* * *

「──今日でちょうどテスト一週間前になります。みなさんテスト勉強に励むように」

テスト一週間前……。

HRが終わってどっとざわめき出す教室で、私は鞄に教科書を詰めながら帰り支度を整える。

梓川くんが教えてくれた勉強法のおかげで着々と世界史も攻略できてきたし、あとはほかの教科を詰めていくだけ。