ーバタンッ。

私は寮を出て、再びゴロゴロとキャリーバッグを転がしながらナビを再起動。

あの寮、一番学校から近いから人気なんだろうなぁ。

「はぁ……」

残り2つの寮も空きがなかったら私は今日、どうやって夜を過ごせば……。

まさか寮に空きがなくなるなんて思ってもみなかっただけに、私の頭の中はノープラン。

残りの寮に賭けるしか──────────

* * *

「ごめーん! ちょうど1年生で埋まっちゃって、空き部屋ないんだよね」

2つ目の女子寮についてすぐ。

私が事情を話すと、出てきた女の子は考える間もなくスパッとそう答えた。

「わ、かりました……ありがとうございます」