ボソッと呟かれた優羅くんの言葉に、思った以上に驚いてしまった……。

「“ありえない”って顔すんなよ。失礼すぎ」

「ご、ごめんなさい……」

「5人ともキレイに得意不得意が割れてるから、テスト前はお互い教えあってるんだよ!」

そうなんだ……。

前回のテストの時は、ずっと自分の部屋で勉強してたから、知らなかったな。

「ところで! 恋々愛ちゃんの苦手な教科って何??」

「私は……世界史かな」

「あ、じゃあなおくんだね!」

凛音くんの言葉に、思わず梓川くんへと視線を向ける。

すると、今まで黙々とペンを走らせていた梓川くんはゆっくりと顔上げ、同時にバチッと目が合った。