「はい」

そして何食わぬ顔で私にジュースを差し出す優羅くん。

さっき頬に触れたのはこれだったんだ。

しかも、私がよく飲んでるやつ……。

「ありがとう」

優羅くんの手からそっとジュースを受け取ると、優羅くんは「ん」と短く返した。

「いやあ、随分と祭りの雰囲気が出てきましたね」



すぐそばから聞こえてきた声に、私と優羅くんは声のした方を振り返る。

すると、そこには──────────

「会長さんと、葵くん!」

「こんにちは、桜川さん。優羅も久しぶり」

「ん」

なんて美形な親子……二人揃ったらオーラが増すなぁ。