私が思い出せてないだけで、やっぱり梅乃くんと知り合いなのかな?

「…………」

んー……でも私、人の顔とか覚えるの得意な方なんだけどなぁ。

顔も名前も、何一つピンと来ない。

「? 何?」

あっ……。

ードクンッ。

私の視線に気づき、首を傾げた梅乃くんとバチッと目が合う。

……まただ。

目が合った瞬間胸が高鳴って、言葉では言い表せないような不思議な感覚に陥る。

この感じ、一体何なんだろう?

むず痒いような安心するような、初めての感覚──────────

「いや……なにも」

私はスッと梅乃くんから目を逸らして、ごはんを頬張った。

もし知り合いだったらいつか思い出す……よね──────────?