私は一歩玄関から外に出てキョロキョロと辺りを見回した。

……すぐには帰ってこないか。

寮母さんを待つ前に、空き部屋があるかだけでも確認しないと。

それによってこれからの行動が変わってくる。

さっきの子、先輩呼んでくるって言ってたけど……。

「─────そうよ」



どこからか聞こえてきた微かな話し声。

声のした方に視線を向けると、玄関近くの部屋の窓が少し開いているのに気づく。

あぁ、あそこの部屋の子たちの話し声か。

一体誰の声かと──────────

「追い返そうよ」

ードクンッ。