あまりの敏腕っぷりに、またジーッと顔を凝視してしまっていた。

「すごいなぁって思って」

「? 何の話だ」

梓川くんは首を少し傾げ、改めて私の方を向き直る。

「地域の人たちそれぞれに合った会話しながら、説明もわかりやすくて、ハキハキしてるけど物腰柔らかくて、その結果もう半分の出店の承諾もらえて……梓川くんってホントにすごいなぁって!」

「…………」

あ……。

思いの丈を伝えながら高い顔を見上げれば、梓川くんはフリーズしてしまっていた。

私、また急に熱くなって……。

また変なやつって思われちゃう……!!

「桜川」

「は、はい……!」