「あ、ありがとうございます……!」

席を立って頭を下げた梓川くんに続いて、私も慌てて立ち上がって頭を下げた。

普段無口でクールな梓川くんだけど、話し合いもテキパキこなすし、役員さんたちと話す時も割と笑顔で……。

……なんか、ガラッと印象が変わった気がする。

「いいえ、こちらこそだよ。それじゃあ、夏祭りが終わるまで精一杯頑張ろうね」

「「はい!」」

* * *

─────早速その日から、私と梓川くんの屋台を手伝ってくれる人探しは始まった。

「もちろんさせてもらうよ! 毎年俺の焼きそばは旨いって評判なんだぜ?」

「はい。僕も去年、一昨年と山田さんの焼きそば食べました。とても美味しかったです」

…………。

「屋台!? 私、羅桜高校に居る時から屋台してみたかったんだあ! あ、これって友達に手伝ってもらってもいい?」