森が切り開かれたこの場所から見下ろせる、キレイな街並みとその奥に広がる広大な海。

運良く晴れた今日は、真っ青な空が水平線で海と交わり、太陽の光で水面がキラキラと輝いていた。

「キレイ……」

小さく呟かれたその声に、そっと視線を向ければ、目を輝かせながら海を見つめている恋々愛。

俺は無邪気なその笑顔に見とれて目が離せなくて……。

「こんなキレイな景色が見られるなんて……ありがとう、優羅くん!」

恋々愛はそう言いながら、満面の笑みで俺を見上げた。

この笑顔が見たかったんだ。

何度見ても見飽きなくて、ずっと見ていたくて……。

恋々愛を気分転換させるはずが、結局、俺が得してしまった。

……でも──────────

「ん」

俺は恋々愛にそっと微笑み返す。

恋々愛が笑顔になってくれてよかった──────────