「あんた薪小屋に行くんでしょ? この子も連れてったげて!」

この子も、って……。

「えっ、でも……」

当の本人は初耳って感じだけど。

「息抜きは大事よ! ほら、さっさと準備して来なさい!」

慎吾ちゃんの圧に押されて半ば強制的に客室の方へ追いやられる恋々愛。

なんで急に……。

本番まで時間が無いからと、恋々愛はずっとレッスン室に缶詰め状態で、薪取りについてくるなんて無かったのに。

「あの子……」



恋々愛が渋々ながら客室に向かったのを見届けた慎吾ちゃんは、くるりと俺を振り返る。

「最近、根詰めててね……上手く歩けないって」