なっ……!!

そう言って意地悪く笑う凛音くん。

それと同時に蘇るのは、あの幾度となくされてきたスキンシップという名のハグ。

「だめ! ハグはダメー!!」

* * *

特別寮に帰ると、とてつもなくいい匂いが玄関まで漂っていた。

お腹空いた……。

ーガチャ。

「あ、恋々愛ちゃん! やっと帰ってきた……こんな夜遅くに一人は危ないよ?」

リビングに入るなり、風磨くんはキッチンでハンバーグをひっくり返しながら帰ってきた私に気づき、心配そうに眉根を寄せた。

なんか、お母さんみたい……。

「今日は凛音くんと一緒で……」

「そーいや、今朝凛音と出ていってたな」