あんなに急に金髪が目の前に来たら、“あの人”かと勘違いしてしまう。

あぁ、心臓に悪い……。

「あ、あなた……誰ですか?」

私は動悸が激しい胸を抑えながら、息もたえだえに金髪男子に尋ねた。

「俺は寿々森(すずもり)煌音(あきと)。君は?」

えぇ、嘘でしょ!?

出会ったばかりの知らない人に名前言っちゃうの?

彼のマイペースさに呆気にとられる私。

“君は?”って聞かれても、怖くて名前なんて教えられないよ!!

この人、すっごく危なそうだし!

寿々森と名乗る金髪男子は、なかなか名前を言わない私にアーモンドアイをぱちくりさせて首を傾げる。

猫のようなくせ毛の金髪に、少しクマがある目元……見た目的には優羅くんと凛音くんとを足したような人。