私はキョロキョロと周りを見回すけど、声の主らしき人の姿はない。

え……幻聴?

そっと自分の額に手を当てて、熱がないか確認。

……熱はないか。

私、幻聴が聞こえるほど疲れてるの?

でも、それにしては変な幻聴だったような……。

「幸せ、消えちゃうよ」

!!!

さっきよりも近くで声がして、私は勢いよくベンチの後ろ振り返った。

すると目の前には──────────

「きゃああ!!」

私は慌ててベンチから遠ざかる。

お、男の子!?

しかも距離近すぎ!!